報道では伝わってこない 臭い、音、そして光景と涙

震災は 午後3時頃だったので子供達は学校、父親は仕事、母親は買い物、祖父母が自宅で孫と一緒、幼稚園の帰宅という時間帯だった。家族みんなが離ればなれになってしまったのだろう。石巻では学校は高台にあったので、学齢期の子は助かったのかもしれない、安置されている方の多くは年配者、乳幼児。避難する時に、寒かろうとおばあちゃんがたくさん重ね着をさせて、長靴の下には靴下も何枚もはいて。あまりに突然の大水にきっと、すぐに気を失ってしまったのだろう、ほとんど水ものんでいない、ただ、眠っているような白い小さなお顔。次々と運ばれてくる小さな遺体に、突然涙で手が止まってしまう。こんな小さな子、おかあさんがなんですぐ探しにこないんだ! わかっている。そう、この子を探しに、両親も祖父母も、、決して、来ることはない。
指先どころか手の感覚がもう寒さでなくなっている。仙台でもこんなに寒い3月は珍しいとのこと。眠るようなご遺体をこのまま守ろうと仙台の冬が戻ってきたのかも知れない。